【着物で旅に出掛けよう。】秋の熟味Nadalワイン ボデガ訪問inバルセロナ

旅に出かける時、巡り合う人や素敵な場所の事を想うと、気持ちがウキウキと弾みます。
「どんな食べ物があるだろう?」「どんな文化があるだろう?」
まだ訪れた事のない場所に、思いを馳せるほど心踊るものですね。
I着物で旅に出掛けよう。キモノバルセロナ NADALワインボデガ
異なる文化って、どうしてこんなにも私達を魅了するのでしょう。
知らないものが得られるから? 未知の体験が待っているから?
「旅着物スタイリング」では国内外を問わず、旅先での着物コーディネートをご紹介します。
温かな異文化交流が生まれる着物旅、趣き豊かな着物ならではの楽しみがそこにあります。

装いに旅先へのリスペクトを込める。するとさらに楽しく、自然に心も豊かになっていくから不思議です。

◆ワインの街、秋のペネデスへ。

今回はバルセロナから車で40分、ペネデスのNadalワイン ボデガへの旅です。
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丘の向こうのずっと先まで見通せる、大地と澄み渡る空だけのキャンパスに、ポツリと建つNadal(ナダル)のボデガ(ワイン製造所)は1510年からこの土地で葡萄を愛でてきたそうです。
ワイン用に栽培されている背の低い葡萄の木々たちは収穫を終え、実りの時間からまるで仕事後の休息のひとときを穏やかに過ごしているよう。
視界を遮らない、どこまでも続く秋の澄んだ青空と茶色い大地もまた絶景。
どこか日本の秋に似た、侘び寂びと神聖な安らぎを情景に感じるのは、遠くにそびえる神の石山、モンセラートが見えるからかしら?

◆秋のワイン試飲会は街をあげての豊富な数々

バルセロナがあるカタルーニャ州のペネデスは、ワインの生産で有名な土地。世界のフレシネで有名なスパークリングワインもここペネデス!秋のシーズンは多くのボデガから新作発表があり、ワインやカバの試飲会がたくさん開かれています。ここナダルは、ピメカバの会長を務めるシャビエル・ナダル氏のファミリーが経営しています。
街をあげての試飲会では、初めにワイングラスやカバのグラスを購入、あちらこちらの新作ワインを飲み放題で回り尽くす・・・。ああ、何て贅沢な!大盤振る舞い多しの秋のカタルーニャです。
ナダルのボデガの試飲数も豊富。数種類全部飲みほせばほろ酔い顏に。大盤振る舞いはカタルーニャの気質でしょうか。
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ワインとカバの味は、どちらかというと飲み味優しく、かろやかなイメージ。
食卓に常備したい、優しい口当たりです。
こちらのボデガには系列のレストランがあり、ナダルワインとともに美味しいカタルーニャ料理も堪能できます。隠れ家的なレンガ造りのレストランにて着物で郷土料理も洒落てますね。
バルセロナ ペナデス ナダルボデガと着物 きもの旅バルセロナ ペナデス ナダルボデガと着物
(ビティファラとアルカチョファ、主食のパンコントマテ)(この時期だからいただけるカルソッツ)

◆薬を極力使わない、優しい作り手の想い。

ナダルはペネデスのほぼ中央に位置し、ボデガの前に100haの自社畑を所有。
自ら栽培、醸造、瓶詰めまで全てを行い、農薬を極力使わない農法を採用しているこだわりのワインとカバを製造しています。
環境にも、人にも優しい作り手の気持ちは、食の世界でも衣の世界でも心温まるものですね。

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設立当時の古い手作り階段をくるくると下がり、地下へ。
軽い湿気がワインの香りを誘う生暖かい地下は、左右に細く伸び、カタルーニャ建築の歴史ある雰囲気が残っています。
昔ながら使われている道具たちも時間の重みを感じさせてくれます。

◆昔のキモノだからこそ味わい深く。

初秋のこの日の着物コーディネートは、栗皮茶とワインボルドーの暈し色の地に、こげ茶色の立涌文様の絣が奥行き深い普段着の紬。

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こちらは身丈、裄が私は全然足らないおばあちゃんの着物です。
腕が出てしまう袖は寒いので、柔らかいロング手袋を。
着物と同系色で合わせれば見た目もレトロになりすぎず、すっきりと現代風に。
帽子はフェルトのエレガント帽、ショールは手刺繍が映える品、どちらも手作り品の温かみがワインの深みと重なります。
「着物が秋色コーデでワインが映えるわね」と、着物での訪問者にNadalボデガのファミリーも大喜び。日本人の訪問客も多いそうですが、着物は初めてだとか。
日本食に似合う白ワインも紹介してくださり、互いを想いやる暖かい会話が弾むボデガ訪問となりました。

 旅の巡りを思う程に心高鳴る・・・。ひとときの旅の交流が優しい着物旅。
ささやかな会話の中に、旅の愛おしさが凝縮されるのは、人の温もりが着物に宿るからでしょうか。

さあ、次はどこを着物で出掛けましょう。

 『旅する着物スタイリング』
 帯と着物は同色濃淡コーデでまとまり感を。
大地の恵みとレンガ 
作りの古き良きボデガをイメージ。
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時期:初秋
着物:無地感覚で着まわしがきく絣模様の普段紬。おばあちゃんのおさがりです。
帯: 茶色の縦縞グラデーション色 絹の織り名古屋帯
帯揚げ:マスカットカラーの絹縮緬
帯締め:帯揚げと同色の平組
草履:カレンブロッソ カフェ草履
帽子:マドリッドのハンドメイド市で購入したフェルトハット
ショール:バルセロナのハンドメイド市で購入した手刺繍
ロンググローブ:バルセロナ皮デザイナーブランド Verde

着物にワインってなんでこんなにマッチするのかしら^^
日本に戻ったらボジョレーも楽しもうかな♪

キモノワールドライフ
パーソナル着物スタイリング
齋藤優見

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