布宝石の草履『黒田商店』

昨日の長期戦成人式の疲れも笑顔で吹き飛ばし、今日は来週の同行ショッピングリサーチへ。今年は去年に比べてショッピングエンジン掛かるのが早く、2019年に入って既に3回目。やはり”2019年 和で開運”予報は当たっているのかもしれないですね〜。

普段使いの着物オシャレ通の間では知らない人はいない香川県の『黒田商店』さんの草履。たまたまリサーチ中に東京展示会があったので拝見♪

布への飽くなき情熱を注ぐ女将が選ぶ鼻緒布

草履の台も独特な趣味性が効いている物があったり、カレンブロッソのように歩きやすさとオシャレ感を追求した下駄草履なる独自の履物があり、店主さんがその場ですげて下さる。
すげの塩梅も見事な職人技だけれども、今回は女将さんの布への愛情にスポットしたい。
日本中を、世界中を飛び回り、珍しい布、希少価値の高い布、昔の技術と丹精込められた古布、面白い布などを集めては鼻緒にしている黒田さん。棚に並ぶ鼻緒はどれも個性に満ち溢れ、大人の通なオシャレ感を高めてくれる逸品ばかり。

黒田商店の草履

私が色々な鼻緒に顔を近づけてはジーーーーっと様々な角度から見ているのに気がつかれたのか、それぞれの生地についてストーリーを話してくださった。スペインに西陣織のルーツである昔の布があったことを、それはもう我が子の話をするように愛情深く楽しそうに語る女将さん。

「ヨーロッパの更紗は面白いよ。市場でね、お爺さんが商品を包んでいた布がまさしく私が探していた古布で、懇願して譲っていただいたこともあるのよ。」

「この布は民族衣装の一部で、全部手縫いの飾り刺繍なの!博物館に入るような古裂を鼻緒にしちゃったw」

黒田さんに愛されて手元に来た布たちは、”用の美”として生き返り、まるで宝石のように輝きと個性を放つ。

江戸時代のこぎん刺し

江戸時代のこぎん刺し 鼻緒 黒田商店の草履

「青森県弘前市の骨董品店を7店駆け回って見つけた奇跡のこぎん刺し。はじめは売ってくれなかったのよ。でも私の情熱に負けてくれたのね、店主のこぎん刺しの半纏の袖を切って分けてくれたのよ。」

そう話して下さった江戸時代に作られたこぎん刺しの鼻緒。麻の極細糸で細かく織られた布に、綿の糸で刺してあるから、現在のこぎんに比べて物凄く細かい!現代では出来ないとか。

私もこぎんには注目をしていて、以前岩手に行った時にこぎん刺しのセンターにまで行ってみた程。写真中央に置いたクルミボタンはその時に買ったもので、黒田商店さんの鼻緒と比べたらその細かさが一目瞭然でした。

展示会で東京に来る時にしかお会いできない黒田商店さん。
私も結構な布フェチなので、今回は女将さんと布について長い時間色々話し込んでしまいました。

それぞれの鼻緒のストーリーを聞いている間、
「あ、これはあの着物を持っているA様に、あ、それならデニムの着物を新調されたB様に…」と、オシャレなクライアント様の顔と着物が次々と頭に浮かび、自分ごとのようにテンションが上がる私w

1月〜3月の同行ショッピングは礼装ばかりなので今回はご提案内容に合わないけれど、ストーリーのあるお洒落を楽しみたい方に是非身につけてもらいたい鼻緒です。

黒田商店の草履

詳しく様々な時代や国の生地の話をして下さった黒田さん、ありがとうございました‼️

キモノワールドライフ
パーソナル着物スタイリング
齋藤優見

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