【きもの研究】江戸時代の着物が触れる?!<<女子美染織コレクション>>

学芸員さんがトークギャラリーをされるので、女子美術大学 相模原キャンパス 染色コレクション展「日本の伝統と技」へ楽しみに伺ってきました。古裂660点所蔵中、今回は90点あまりの品が展示とか。

皆さんは展示を見ながら学芸員さんのお話を聴いたことありますか?とてもワクワクしますよ。
まるで作品の声を聞いているかのようで、鑑賞の面白さが何倍増もします。
お一人お一人の知性溢れる展示のお話から、芸術品の見る目が変わります!
しかも、最後にいろいろ質問も出来てしまうという有り難さ。

”歴史はロマン”の意味がよく分かる

奈良時代の古裂から江戸時代の古裂を順序立てて説明してくださった学芸員の方、そのお話を聞きながら展示品に目を移す。
目の前に8世紀の辻ヶ花を見、どんな方が、どんな状況でどんな香りをまとってこのお召し物を着ていたのか。
実際に使われていたものだからこそ、過去のストーリーにロマンを感じます。

作業、効率から離れた人としての価値。

メモにも残したように、日本の衣服デザインには様々な意味を含ませているものが多く、解読がまた楽しいものでもあります。
中には教養を試すような文様だったり、洒落を面白がる文様、情景を思い起こさせるような仕掛けのある文様などなど。

きもの研究 女子美ミュージアム 日本の伝統と技

教養王朝文学、能などを暗示的に風景の中に表し、武家の教養の高さを表現する”文芸文様”は江戸時代中期に大変流行したそうです。

武力でのし上がった武家がその力を術として節を重んじ、歴史、文芸を心得、
衣服の嗜みも教養、知性を深めるものへと昇華させる日本人の精神に、人として存在する意味を見出す気がします。

刺繍は途中から意味を追加できる芸術

奢侈禁止令が出る前の江戸時代の刺繍は豪華絢爛で、現代の刺繍よりも、肉厚、まるで彫刻のように立体的で浮き出ているものも多い。
刺繍によって生地の強度を高めたり、特定の刺繍を施して意味をもたせたりと、刺繍の技術も進歩していったようです。

今ある着物の文様に刺繍を加えて、新しい意味を含ませる衣服を誕生させるなんて、なんて粋なこと!

 

江戸時代の生地を触る!

18Cの麻、木綿、絹を触らせてくれるコーナーがありました。

麻は何度も何度も水を潜っているだろうしなやかさで、固さなし。ツルッと、サラッと、なめらかな繊維になっていて驚きました。
木綿はふわっふわ。見た目は木綿特有の固さが見えるのに、触ると繊維が毛羽立っているからか、見た目には感じられない和フワフワ感に感動。
絹は、今にも着れそうな、いや、指の圧で生地が溶けてしまいそうな薄さと繊細さ。

“昔の絹と今の絹は、当然食べているものも飼育環境も違います。昔のはいともほそく、まゆの大きさも小さい。そのため着物の生地も今に比べて極端に薄いのです。”

との学芸さんの説明を聞いてなるほどー。織り方のみならず、糸そのものの特徴でもあるのですね。

そう言えば、長野の天蚕を見学しに行った時も、お蚕さまが食べているものの大切さ、まゆの大きさが違いすぎることに驚いたのだっけ…。

 

五感を高める着物

染織の『日本の伝統と技』には豊かな知性と教養、願いが映し出されています。
そして着物は、着物をまとって外に繰り出すと、普段は気がつかない物事や自分の心情に多くのことを発見したりします。

雑誌や文献で見るだけでなく、知識として知っていることでも実際に出向いて拝見する度に、ドキドキする出会いを与えてくれる日本の「衣」。
本当に作り手と着手たちの愛が宿っているのかもしれない。このドキドキ・ワクワクする心持ちは恋煩いにも似ている気がします(笑)

 

あなたも着物をまとって五感を高めませんか?

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