同じ採寸表でも違う着物が仕上がってくる訳

「着る人起点」のプロの知識を学ぶきもの未来塾さん主催の「悉皆講座」に参加してきました。
普段ファッションに着物が復活しつつあるからこそ、日々のお手入れ、体系や個性に合わせた仕立てのディティール、構造上の時短技など、「着方」やコーディネートといった表面的なこと以外の質問を以前よりも多く頂くようになった気がします。
日々、職人さんや着物業界の先輩方に、一着手として様々な疑問を投げかけていても、帰ってくる答えは結構まちまち。

♦︎一つの囲いの中の考えは意外に狭く、”アリ・ナシ”の境界線も手厳しいもの。

着物屋さんは自分のところの着物や産地のことしか知らなかったりするし、視界を広げて様々な考え方を頭にいれていないと、着手のファッション需要が多様化している今、継承したい文化と流行の手軽さの良さがごちゃごちゃになってきている!と、自分の中で危機感を感じ、今回参加させてもらいました。
不易流行、守りながら変化も楽しみ、美しきならではの教養も引き継いでいきたい想いです。
きもの勉強会
今回の勉強会はいつものプロ集会ではなくて、一般公開講座だったのもありますが、参加者の80%が趣味で着物を着ている方々だった事に、着手の着物への興味関心の高さがわかります。
こんなにマニアックな話の講座なのに!!
着物屋さんのアルバイト販売員、本当に知識高めないと、本物だけがリアル店舗では生き残り、あとは手軽なネット販売という二極化になるなぁと実感でした。

♦︎礼装と普段のオシャレ着物は仕立ても洗いも違う

クリーニングに出せば安心!は大間違い。とは、パーソナルスタイリングを学んでいた時に知った洋服のいろはでしたが、着物だって理屈は同じ♪
ドライクリーニング(丸洗い)に出せば出すほど生地は弱り、しかも汗汚れは取れていないどころか確実に変色していく・・。
着た後のちょっとしたメンテナンスで驚くほど長年の良好を保てることや、自分でできる汚れ落としとプロに任せる判断境界線についてなど
知っていれば着物がもっと気軽に、身近になるものですよね。

♦︎同じ採寸表でも違う着物が仕上がってくる訳

参加者の中で多かった質問は
「同じ寸法表で仕立てに出しても、お店や仕立ての場所が変わると、何故か全然違うものが仕上がってくる。」というもの。
私もカジュアルウェアのお洒落着として、実験的に4件異なるところに同寸でだしているけれど、全部違うw.
(今度この4件の着物の細部を比較検証してみようかな。)
ツキヒコさん曰く、関西と関東、また地方によって仕立ての考え方が違うので、(国家検定という共通した考え方があっても!)ベーシックな寸法表からのサイズ割り出しは変わってくるそうです。
そういえば、お付き合いさせていただいている三人の和裁士さんも地域がバラバラで、職人肌の方や、着手の悩みを入れられる方や、型通りの方など確かに違う。
既製品のスーツか、セミオーダーか、フルオーダーのスーツか、どこで仕立てたのかなどで見た目の格好良さや着心地も全く異なるというけれど、着物もこれに似ているかな。
パーソナルスタイリストが間に入れば、「どう見せたいのか」も仕立てに組み込めるから、職人さん任せで見当違いのものが出来上がってくるということも少なくなりますし。
さてと、今日得た知識は自分が実験台になって実証あるのみ。様々な問題解決の引き出しが多くなる事にワクワクです。
悉皆についてはたかはしきもの工房の高橋和江さんが、
仕立てに関してはツキヒコの彦根由美さんが、基本の考え方を伝えてくださいました。
様々な考え方を満遍なく網羅しているお二人のお話は「着手」にリアルなもの。
やはりプロは、広く深くですね。

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