染織 滋賀県 近江上布を訪ねて。着物旅 in 日本 その2
夏に欠かせない麻。
サラリとした肌触りは、湿気の多い日本の夏には最適で、涼しさも快適さもこれに勝るものはない!
麻の夏着物の色柄には今までモノトーンや茶、藍色、縞柄や絣が多く、シックな生地が一般的だった。カラフルな夏の浴衣に比べると確かに地味めだったかな。
この麻着物市場に新風を起こしたのが、新之助上布だ。それも、10年近く前の事になる。
麻地に目が冴えるようなマゼンダピンク、透明感のあるアクアブルー、ジューシーなオレンジカラー。
欧米のクラッシックデザインである多様なチェック柄や無地に一本ラインのモダンな配置など。
濁りのないクリアな色使いに、着物を知らなくても心躍らせる女性も多いハズ。
長年の近江上布の職人であり代表の大西さんに聞いてみた。
「このカラフルで楽しい配色は、やはり琵琶湖周辺の自然からインスピレーションを得ていらっしゃるのですか?」と。
ぐぅぁはっはは!と大笑いされてしまった。
デザインが生み出される答えらしい答えがなかなか得られなかったが、どうやら30年ぐらいメンズの麻シャツを織っていたそう!
その時の資料とも言える見本生地が幅広の芯に無数に保管されている。どうりでデザインが斬新なわけだ。
新之助上布はブランド名で、いわゆる日本4大上布の高級品ではない。もっと身近に、もっと夏を楽しくさせてくれるおしゃれアイテムの麻織物。
ラフすぎる”浴衣”以上の、キメすぎる”着物”未満のカジュアル着、ビタミンカラーで気分も楽しい新之助上布、探していたのはこんな大人の夏着かもしれない。
「ここ1〜2年、他の麻縮み工房もカラフルな色を出して来たからな。そろそろうちは違う路線に替え時やな。」
改革から10年、時代のニーズを聞き出して次に行く心粋に、近代の近江商人の魂を感じずにはいられない。
表面的なデザイン改革ではなく、
歴史あり、文化あり、センスありのところが
大人心をくすぐる惚れ所だな。
旅を想う着物スタイリング
新之助上布 綿麻着。
浴衣としても着物としても、肌触りが心地よい。
デザインの白生地部分は三本に一本の黄糸の配列になっている。ベタ織りの白一色ではないからこそ着た時に奥行きをもたらす効果があるそう。
見えない技術も愛おしい。
場所:五箇荘 近江商人屋敷
綿麻夏着:新之助上布
仕立て:梅屋さん
わがままなボーダー柄の配置に苦心してくださってありがとうございました。
キモノワールドライフ
パーソナル着物スタイリング
齋藤優見
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