着物の最後は雑巾、灰になるまで
「MOTTAINI」という言葉がワンガリ・マータイ(ケニア出身の環境保護活動家 2004年ノーベル平和賞)さんをきっかけとして世界共通の言葉となったことは有名な話。
「物体無い」は物の価値を充分に活かしきれてなく、無駄になっている状態などのときに使われるが、同時に、対象物に対する敬意・愛情のリスペクトが込められた言葉でもある。
着物文化の場合、愛着を持って物を大事に使う日本の精神が最後まで現れている。
着物を着ている人は、こんな言葉をどこかで一度は聞いているはず。
「着物はね、着られなくなったら他に作り変えて生地として再利用していたのよ。お布団カバー、前掛け、おむつなど、それでもボロになったら雑巾にしてね、最後は燃やして灰にして、洗濯や肥料にもしていたのよ。」と。
私も自分の祖母からそんな話を聞いて育った一人。
ただし、話は聞いていても着物→洋服になった生地の姿は見たことがあっても、雑巾まで行き着いた着物生地というのは見たことがなかった。
先日お客様のご自宅へ着物相談に伺った時のこと、なんとその着物雑巾が段ボール一箱分あった。
よく見ると、何枚も生地が重ねられていて、一枚一枚は継ぎ接ぎだらけ、シミだらけ。だけれども、雑巾にする縫い方もアート心があるというか、これこそ刺し子の原点!と感じられる縫い方などなど、日本人の日の感覚が生活の細部にまで及んでいることに感銘を受ける。
本当に丁寧に、大事に使えるところまで使って雑巾になった着物の生地を見て、日本人の物を大切にする心に大変感動をしたのと同時に、今の自分の生活を反省。
自分のことだけを考えて物を買い、消費してはいないだろうか?
環境や地球のこと、物を大事にするという心や、自然の恵みに本当に感謝をして物を使っているのか?
物を大事にすることが人を豊かにする
物を大事にする
=人を大事にする
=今を大事にする
→今の豊かさを感じ感謝することができる
のだろうなぁと、先人が残してくれた日本の美しい美徳精神に心を打たれた着物雑巾でした。
皆さんは、物・人・時間を大切にする心の余裕持てていますか?
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キモノワールドライフ
パーソナル着物スタイリング
齋藤優見