9月から12月まで毎週月曜日にプロのための『振袖着付け特訓会』を橋本駅前にて実施しています。
第2回目は、帯枕の置き方、締める強さに話題が集まりました。
リアルな振袖現場でのクレームから学ぶ
この月曜日は、午前、午後、夜と全て振袖着付けのクラスでした。やはりこの秋の時期になると、成人式前撮り・後撮りや、着付けの国家検定でもある『着付け技能士』の1級実技試験対策で手の動きや時短技を確認されるために参加される方が増えますね。
今回は、ご参加者様から
「試験や撮影ではこのようにお支度するけれど、実際に振袖でお出かけになる方にはどうなの?」
といった、リアルな現場でのご質問が多く上がりました。
ご自分の現場以外での参考になる着付士技が交換されるこの振袖着付け特訓会、現場の振袖着付けクレーム情報が集まっているからこその、回避のための着付け技などに今回も熱いノートとりでした。
(この特訓会では、ノート取り、ご自分の作品はその場での写真撮りもして頂けます。)
帯枕のテンションの重要性
成人式会場での着付け直しSOSを担当していた経験から、過去4年分の着崩れ内容を分析して見たところ、1番多かったのは「振袖の帯が落ちる」でした。
帯落ちの原因は、補正が甘い、帯の結び目がそもそも落ちている、帯枕がプカプカと遊んでいるなどの複数要因がありますが、特に帯枕の締め方を力任せにキツく締めている方々が現場でも目立ちます。
キツく締めていても、振袖をお召しの方が様々な動きをすることによって固定されている場所からズレ、結果、苦しいままなのに成人式後には後ろの帯がぐらついている。という光景をよく目にすることとなります。
これは、アンケート結果によると美容師さんなど仕事場で着付けを先輩から習った、一人のベテラン着付け士から学んだといった方に多い傾向があるようです。
帯枕は固定する場所、帯枕の紐のテンションの掛け方によって劇的に『帯落ち』が解消されます。
長年着付けをされている先生方は感覚的な熟練技で、固定するべき場所に、適度な紐のテンションにて帯枕で帯の高さを維持させていますが、これを言語化して正確に伝えられていないのかもしれません。
過去の私の師匠達も「しっかりと締める」「きちんと締める」
「ギュと落ちないように締める」などで、
『しっかりと。ってどんな感じに締めるの!!』とずいぶん悩みました(笑)
0から始める振袖特訓会全15回受付は終了していますが、テクニックを維持・向上させるための7回、3回コースは9/30まで受け付けています。
(目白、上野など、都内でご活躍の『ゆずりは』由起先生と、現場のテクニック、時短方法、実際のクレームになりやすい箇所などをお一人お一人のクセを拝見しながらお伝えしていきます。左:ゆずりは 代表 田中由起先生 右:キモノワールドライフ代表 齋藤優見)
毎週月曜夜19〜21:30 JR横浜線 橋本駅前にて実施中。
着付け技能士実技試験対策 全3回も同時受付中です。
技術は使わなければ日々退化します。
普段着付けをされていない方、ご自身の技術を確認されたい方は是非練習にお越しください。
高まるママ振り袖の需要を後押ししたい
美しい日本文化の継承をお手伝いする着付技能士の仕事、
私達は、毎年技術を維持向上させながら「心地よい、楽しくワクワクする」振袖を着つけてあげられる美容室、着付け士達が増えることを願っています。
悲しいことに現場の成人式の振袖レンタル会社やフォトスタジオでのパック当日お支度は、ご成人の方々を流れ作業のベルトにのっとって作業をこなすシステムとなっています。
私達は、各地域の美容室が着付けの技術を維持向上させつづけ、お客様との信頼関係の中で、人生の特別な成人の日を心から祝福してあげられる場所になってほしいと思っています。
人と人との関係を大切に想う美容室だからこそ、大人になるけじめやこれまでの感謝をご本人さまにも感じて頂けるのではないでしょうか?
日本の伝統文化や大切な心を引き継ぐ場所、日本の美容師、着付け士はそのきっかけを創るこの国ならではのビューティー財産になってもらいたいと心から願っています。
今の技術に甘んじることなく、様々な現場で動き続けるリアルな技術向上を是非この特訓会で毎年更新していただければと思います。
9/30まで振袖特訓会7回、3回コースのお問い合わせをお待ちしております。
詳しい日程、料金、持ち物はこちらからどうぞ。
レッスン風景過去ログは以下からどうぞ。
『美容師・着付け技能士のための振袖特訓会』
第一回「サービスの仕方・短い帯でもヒダが多い現代結びをする方法」
キモノワールドライフ
パーソナル着物スタイリング
齋藤優見